豊多摩刑務所跡地

小林多喜二が収監されていたという「豊多摩刑務所」跡地に行きました。場所は東京都中野区新井3丁目です。新井薬師の近くです。
この辺は昔東京府豊多摩郡だったので「豊多摩」と名付けられています。現在「豊多摩」という地名はわずかに「都立豊多摩高校」などに残っています。

北多摩郡、南多摩郡、西多摩郡など東京にも郡があったのです。いや現在も西多摩郡はあるようです。


豊多摩刑務所跡地は現在、中野区立「平和の森公園」と東京都下水道局中野処理場となっており、刑務所時代の面影は全くありません。と言っても筆者はここの刑務所にお世話になったわけではないですが。




当時の豊多摩刑務所の状況は小林多喜二の「独房」という作品に描かれています。その中で、西武電車N駅が出てきますが、ここから近い「沼袋駅」だと思われます。

ここには大杉栄、亀井勝一郎、中野重治、河上肇なども収監されました。戦後は中野刑務所となり、歌手の加藤登紀子の夫藤本敏夫も収監され獄中結婚が話題になりました。

「平和の森公園」には資料館もあり、太平洋戦争関係の資料が展示されています。出征兵士の遺書です。


母宛の遺書で,
親孝行ができないお詫び、天皇陛下万歳など痛ましい内容です。
「きけわだつみの声」を思い出しました。

残念ながら刑務所時代の資料は有りません。

公園内にある「中野区憲法擁護非核宣言」の碑。


土台の石は広島で被爆した石だそうです。

この公園は背後に妙少寺川の谷があり、高台で日当たりが良いせいか、弥生時代後期の住居跡があります。

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