SSブログ

橋本昌樹の「田原坂」を読みながら上野東京文化会館コンサートへ [日記]

「田原坂」というタイトルの本が中央公論社から1972年に刊行され、中公文庫にもなっています。
著者の橋本昌樹氏は故人ですが、杉並区にお住まいの著者の未亡人と、ふとしたきっかけで知り合いになりました。
田原坂.jpg

田原坂は、熊本県熊本市植木町にある坂で、西南戦争時の激戦地であり、ここで薩摩軍、官軍合わせて10,000に以上の人が亡くなったそうです。また民謡にも歌謡曲にも歌われています。「たばるざか」と読むのが一般的ですが、著者によれば「たばらざか、たはらざか、たわらざか」と発音する人もいるそうです。

この本は、著者が祖父の「橋本冒世」が残した西南の役従軍日誌を発見して、西南の役の文献史料を集め、本にまとめたものです。乃木希典が戦旗を奪われた場面から、戦いの模様が、時系列で記述されています。

松本清張が推薦文と題字を書いてます。

著者の父親は陸軍次官などを務めた陸軍中将の「橋本虎之助」で、二・二六事件当時の近衛師団長でした。部下である近衛歩兵第三連隊の中橋基明が、蹶起した将校で高橋是清を殺害したため、責任をとり予備役となりました。

松本清張は「昭和史発掘」で二・二六事件を書くにあたり、資料集めで橋本虎之助の子息である橋本昌樹に取材して、知り合いになったようです。
昭和史発掘.JPG
二・二六事件については筆者も過去のブログで書きました。ご参照頂ければ幸いです。この事件についてはいろんな本が出てますが、松本清張の「昭和史発掘」が一番資料も豊富で的確だと思います。

前置きが長くなりましたが、この「田原坂」を読みながら上野にむかいました。西南戦争で賊軍の将であった西郷隆盛の像がありました。
snapshot-1272754647.jpg

銅像の脇の説明文では、1889年大日本帝国憲法発布に伴う大赦で赦され、正三位を追贈されたのを記念してこの銅像が作られたそうで、高村光雲の作だそうです。いやに頭でっかちに見えます。台座には「敬天愛人」と刻まれていますが、この言葉は、西郷隆盛が好んでよく使ったそうです。「愛」を説く政治家もいましたね。

東京文化会館大ホールでのこの日のコンサートは、村松楽器の主催で全員招待客。ビール、シャンパン、ワインなど飲み物はフリーだったため、飲み過ぎてしましました。

muramatu .jpg

演奏者は
フルート:ヴォルフガング・シュルツ (ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 首席)とその息子マティアス・シュルツ (ウィーン国立歌劇場管弦楽団)
指揮:山田 和樹 (2009年 ブザンソン国際指揮者コンクール優勝)
新日本フィルハーモニー交響楽団

【プログラム】
ドビュッシー :牧神の午後への前奏曲(新日フィルの荒川さんのフルートが控えめできれいでした)
ドップラー:2本のフルートのための協奏曲 ニ短調
(ヴォルフガング・シュルツ / マティアス・シュルツの親子の息がぴったり)
イベール :フルート協奏曲(ヴォルフガング・シュルツ)
ラヴェル :ダフニスとクロエ 第2組曲

シュルツ先生は年齢だけは筆者と同じ。村松の24金のフルートで超技巧曲を難なくこなしていました。アンコールは「シランクス」、筆者もこの曲の出だしの8小節だけチャレンジ中です。♭が5つ、、、、

新日フィルのヴィオラの首席は、サイトウ記念松本で良く見た篠崎友美さん、「小宮悦子」にそっくり。
指揮者の山田さんは童顔で愛想が良く、指揮ぶりも見事で将来有望だと思いました。

なお蛇足ですが、
フルートの村松は「MURAMATSU」のブランド名で世界中のフルート奏者に愛用されています。工場が埼玉県の所沢にありますので、すべての村松フルートには、通しの製造番号と「TOKOROZAWA」と刻印されています。
DSC_0014.jpg

筆者のフルートも「MURAMATSU 」で70857番目に製造されたものです(残念ですが金ではありません)。

所沢というと西武ライオンズですが、二・二六事件でも「河野寿」という所沢の航空兵大尉が参加してます。河野寿は自決してますが、その親族が事件の資料をまとめています。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

料理に挑戦ジャガイモ成長録5月7日 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。